小さなチームが大きく見える理由——スタートアップ初期に効く「絞り込み」の力
あれもこれもと機能を盛り込む前に、何をやらないかを決める。創業初期の成否を分ける意思決定を考える。
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コスモス科学館
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資金も人手も限られたスタートアップの初期に、最も貴重な資源は時間だ。だからこそ、何に取り組むかと同じくらい、何をやらないかという判断が重要になる。多くの成功した企業が、創業期には驚くほど狭い領域に集中していたという事実は、しばしば見落とされる。
機能を増やせばユーザーが喜ぶ、という発想は直感的だが、初期段階ではしばしば逆効果になる。あれもこれもと手を広げると、どれも中途半端になり、肝心の「これがあるから使う」という強い理由を提供できなくなる。一点突破でユーザーの強い課題を解決したプロダクトは、機能が少なくても確かな支持を得る。
絞り込みは、対象とする顧客の選定にも及ぶ。万人向けを目指すと、結局は誰の心にも深く刺さらない。最初は熱狂してくれる少数の利用者に向けて作り込み、その声を頼りに磨いていく方が、結果として広がりやすい。最初の百人を熱中させる方が、千人にそこそこ気に入られるより価値がある、とよく言われるのはこのためだ。
もちろん、絞り込みには勇気がいる。目の前のチャンスを見送る判断は、創業者にとって痛みを伴う。だが、限られたリソースを分散させれば、競合に対する優位は生まれない。集中こそが、小さなチームを実際以上に大きく見せる武器になる。
成長の段階が進めば、いずれ事業を広げる局面は来る。しかしその拡張は、確かな足場の上でこそ意味を持つ。初期に何を捨てるかを決めきれたチームだけが、次の扉を開く準備を整えられるのだ。